2015年12月22日火曜日

ひと - 知内町教育長と中頓別町教育長 -

                                                                      H27.12.21

 学校関係者である自分ががこんな風に言うとお叱りを受けそうなのですが、市町村立の教育委員会がマスコミや世間の非難を浴びる様子を見るにつけ、そういうことが起きるのもあり得ないことではないと思います。教職経験のある方であったり、教育行政職で日頃から教育現場と向かい合っていたキャリアを持つ方ならまだしも、昨日まで、全く畑違いの部署で働いていた役所の職員が、いきなり学校現場で適切な指導や助言をできるとは残念ながら思えません。以前、先月まで役場のある課の係長さんだった方が主査として、町内の義務教育学校へ学校教育指導に出向いているのを目の当たりにしてびっくりしました。さらに、その指導的立場にある教育長が、つい先頃まで某課の課長さんであった方でした。プライベートで話を聞くにつけ気の毒にすらなりました。もっと言うなら、新しい教育委員会制度になって首長の権限が強化されましたが、市町村長さんが、教育委員会もしくは教育委員会を通して学校に対し、これまた迅速且つ適切な指導や助言を具体的に行うことがどれくらい期待できるでしょうか?私自身の考えは、否です。一校の監督者として、平素より、教育委員会には骨は拾っていただくにしても後ろには誰もいないという覚悟で仕事をしています
  さて、のっけから悲観的な話題になりましたが、本町の教育長さんは違います。教育職や行政経験のキャリアをお持ちで、教育にあって時代の先(せん)をいく方です。コミュニティースクールやインクルーシブ教育の導入、高校における入学生徒の確保等々、様々な施策を展開されます。仕掛けの巧みさや実践力は刮目に値しますが、何よりも、その人物には畏敬の念を禁じ得ません。教育に関して、本町で一番熱い方かもしれません。ぶれずに信念を貫き通される方です。自分が学生の頃の恩師には見かけた記憶がありますが最近はついぞ見かけなくなりました。失礼をご寛恕いただき僭越を承知で申し上げるなら、児童生徒のこととなるとムキにすらなられるお姿はやんちゃで、懐かしいような微笑ましいような思いがします。また、人を動かす妙をお持ちです。奢らず偉ぶらず、いつも必ず「お願いします。お任せします」と言葉を締めくくられます。
 何事にも通じるとおもいますが、最後に人を動かすのは心だと思います。
 こんな文章をしたためていると必ず脳裏に浮かぶのが、かつて、教頭時代にお仕えした校長先生です。現在は、中頓別町の教育長に就任されておられます。当時、こんなに心身共に健全で男気のある人物がいるのかと思っていました。「校長として、教頭さんの動きやすいようにすることを心掛けている」、「校長は、生徒と先生方の人生を預かる仕事だ」と、常、口にされていました。教頭にあって校長のなんたるかを語るとき、自分に一番しっくりくる言葉でした。また、機を見計らったかのように、お手製の男弁当やゆで卵、みかんを「ほいっ」といただいたものです。職員室で頬張っていると、先生方から「校長先生の男弁当ですね。嬉しそうですね」と言われました。      
  お二人は自分の尊敬する方です。
 教育は人なり。知内町と中頓別町の教育には、今後も希望が見出せます。