2015年10月5日月曜日

格好いいひとたち

                                                           H27.10 . 5
 
 今日から、2学期が始まりました。生徒諸君がブレザーを着用した正装へと衣替えした姿を目にするにつけ、ここ北海道での秋の深まりを実感します。月曜日とあって、生徒や教職員の体温の抜けた週初めの校舎は今季一番の冷えを感じます。
 週に数回、町内をランニングするようになり、走る中で気候を体感します。同じ町内でもある地点に差し掛かるとスッと温度が下がります。南国育ちの自分は海を泳いでいるときの海水の温度変化を思い出します。地形に拠る現象でしょうが、同じ地域にあっても季節の訪れは微妙に異なるようです。植生や虫の声、木々を吹すり抜ける風の音に行く季節を想います。道ばたに咲く野草も乾いた音をたててきました。本校の正門から生徒玄関にかけてマリーゴールドが植えてあり登校してくる生徒諸君や訪れるひとを入口まで誘ってくれていましたが、つい先頃今年の役目を終えました。
 先月の月末の休日、昼過ぎにランニングの帰着地の学校に戻ってくるとマリーゴールドに水遣りをしている男子生徒の姿がありました。休日なのにありがとう、もうじき花も終わりだねと声を掛けると、部活のついでですからと、屈託のない青年らしい表情を浮かべていました。誰に言われるでなくとってつけたようでもなくホースの水を加減している姿は格好いい。
 本校のボランティア部、部の性格上、大会出場で壮行されることもないし大会成績が表彰されることもありません。しかし、週一訪問する地元の施設のお年寄りの方たちのスターだし職員の方々から感謝を受けています。函館の街角での募金活動等々、はにかみながら一生懸命に活動するその姿は格好いい。
 中学校向けの学校説明会当日の朝は生憎の雨模様で、生徒玄関の傘立てには滴のついた傘がたくさんたてかけられていました。無造作に突っ込まれているものもあり、エントランスで中学生や保護者を迎えるにどうしたものかと出勤時一人思案していました。すると、朝の職員打合せが終わったあたり、一人の先生が濡れた傘を一本ずつクルクルと巻いておられました。日頃の勤務の様子からも、気づかれて自主的になさっていることは推察されました。ひと知れず黙々と手を濡らしている姿は格好いい。
 学校の実力とは、こういうところに現れると思います。